頭脳労働と肉体労働は、優劣ではなく「人類の二つのアドバンテージ」である
「誰でもできる仕事」という、警備業に対する見方は、根本的な誤解に基づいています。私たちは、この問題を単なる賃金や地位の問題としてではなく、「人類が持つ二つの異なる生存戦略(パーソナリティのアドバンテージ)」のトレードオフとして捉え直す必要があります。
頭脳労働に優れる人々は、「変化の生成」と「高効率な問題解決」を追求します。彼らにとって、単調で予測可能な肉体労働を何年も「継続する」ことは、苦痛であり、エントロピーの増大でしかありません。彼らの価値は、短期間での高いネゲントロピー勾配(革新的なアイデア)を生み出すことにあります。
しかし、肉体労働、特に2号警備の真の価値は、その「継続性」にあります。
継続性こそが、最も希少な「累積的秩序」である
警備員が長期間にわたって、似たような仕事が続くことに耐え、交通や人々の安全という「秩序(ホメオスタシス)」を、エントロピー(事故や混乱)の絶え間ない侵食から守り続けること。この「長期間にわたる持続的な抵抗」こそが、警備業の隊員が持つ、最も尊く、最も希少なパーソナリティのアドバンテージです。
一回きりの作業ができることが価値なのではありません。警備業の労働は、その瞬間に高い生産性を生む「頭脳の閃き」ではなく、「時間の積み重ねによる累積的秩序」を生み出しています。
この「継続性の尊さ」を「誰でもできる」と切り捨てることは、瞬間の効率を偏重し、時間の積み重ねを軽視する、現代社会の「時間軸の偏向」という病理の表れに他なりません。
ボトムアップの鍵:「継続性の価値」を論理的に武装せよ
警備業界の発展は、この「継続性の価値」を、「賃金」という単一指標では測れない「論理的、情報的な価値」へと変換することから始まります。
私たちがボトムアップで業界を変えるためには、まず、この「継続性というアドバンテージを持つ隊員」が、「頭脳労働の負荷なしに」、自らの尊厳を守り、連携できる「新しい共同体のOS」を設計する必要があります。この設計こそが、頭脳労働で武装した我々探究者の責務です。
O.A.E. 株式会社
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