【連載】交通誘導警備の奥深さ:稼ぐだけじゃない、社会を支える仕事の舞台裏

query_builder 2025/06/06

4回:刑法の基礎と警備業務における注意点~「もしもの時」にあなたを守る法律とは?~

「もしかしたら、トラブルに巻き込まれるかも」 交通誘導警備の仕事をしていると、残念ながら、時にはトラブルに巻き込まれる可能性もゼロではありません。 例えば、通行人と言い合いになったり、不審な行動をする人に対応しなければならなかったり。 そんな「もしもの時」に、あなた自身や周りの人を守るために、知っておきたい法律があります。 それが、「刑法」です。

「刑法」と聞くと、なんだか怖いイメージがあるかもしれませんが、実は、私たちを守ってくれる心強い味方でもあるんです。 今回のテーマは、「刑法の基礎と警備業務における注意点~正当防衛、緊急避難、逮捕権の限界~」。 警備員の仕事中に起こりうる「もしもの時」に、あなた自身や周りの人を守るために知っておきたい、刑法の基本的な考え方や注意点について解説します。

4.刑法の基礎と警備業務における注意点~「もしもの時」にあなたを守る法律とは?~

刑法は、犯罪の種類や、その罰則を定めた法律です。 でも、刑法が定めているのは、罰則だけではありません。 実は、私たちが「もしもの時」に、自分や他人を守るための「正当な行為」についても定めているんです。 それが、「正当防衛」や「緊急避難」と呼ばれる考え方です。

4.1 正当防衛~「やられたらやり返す」はアリ?~

「正当防衛」という言葉、ドラマや映画で聞いたことがある人もいるかもしれませんね。 刑法36条には、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」と書かれています。 ちょっと難しい言葉ですが、簡単に言うと、「今まさに、あなたや他の人が、不当な攻撃を受けそうになっているときに、自分や他の人を守るために、やむを得ずに行った行為は、罰せられない」ということです。

例えば、あなたが交通誘導中に、突然、通行人に殴りかかられたとします。 その時、あなたは、相手の攻撃を避けるために、相手を突き飛ばしたり、組み付いたりするかもしれません。 これは、「正当防衛」として認められる可能性があります。 なぜなら、あなたは、「不当な攻撃」から自分を守るために、「やむを得ず」そうした行為を行ったからです。

ただし、「やられたらやり返す」が、すべて「正当防衛」になるわけではありません。 正当防衛が認められるためには、いくつかの条件があります。

  • 急迫不正の侵害があること: 「急迫」というのは、「今まさに」とか「すぐそこまで迫っている」という意味です。 過去の恨みを晴らすために、後日、相手に仕返しをするのは、正当防衛にはなりません。
  • 自己又は他人の権利を防衛するためであること: 自分を守るためだけでなく、他の人を守るための行為も、正当防衛になります。
  • やむを得ずにした行為であること: 相手の攻撃を避けるために、他に方法がない場合に限ります。 相手を必要以上に傷つけるような行為は、正当防衛とは認められない可能性があります。

もし、あなたが正当防衛だと思って行った行為が、実は「過剰防衛」だった場合、罰せられる可能性もあります。 過剰防衛というのは、正当防衛の程度を超えた、不必要に強い攻撃をしてしまった場合のことです。 例えば、相手が素手で殴りかかってきただけなのに、あなたがナイフで刺してしまったら、それは過剰防衛とみなされる可能性が高いでしょう。

正当防衛は、あくまで「最後の手段」です。 できる限り、相手を刺激せず、冷静に対応することが大切です。 もし、相手の攻撃を避けることができそうなら、まずは逃げることも考えましょう。

4.2 緊急避難~「仕方なくやった」ことが許される場合も~

刑法37条には、「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた損害が、避難によって避けようとした害の程度を超えない場合に限り、罰しない。」と書かれています。 これも少し難しい言葉ですが、簡単に言うと、「あなたや他の人の生命や身体などが、今まさに危険にさらされているときに、その危険を避けるために、やむを得ずに行った行為は、その結果として、多少の損害が出ても、罰せられない」ということです。

例えば、あなたが交通誘導中に、突然、車が暴走して、通行人に突っ込みそうになったとします。 その時、あなたは、通行人を助けるために、近くにあった物を投げて、車の進路をそらしたかもしれません。 これは、「緊急避難」として認められる可能性があります。 なぜなら、あなたは、通行人の「生命」という、より大きな危険を避けるために、「やむを得ず」、物を投げるという行為を行ったからです。

ただし、緊急避難が認められるためには、いくつかの条件があります。

  • 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難があること: 「現在の危難」というのは、「今まさに」とか「今すぐ」危険が迫っているということです。
  • その危難を避けるためであること: 危険から逃れるためではなく、他の目的で行った行為は、緊急避難にはなりません。
  • やむを得ずにした行為であること: 他に方法がない場合に限ります。
  • 避難によって生じた損害が、避けようとした害の程度を超えないこと: 避難行為によって生じた損害が、避けようとした損害よりも大きくならない場合に限ります。

緊急避難は、正当防衛と同じく、あくまで「最後の手段」です。 できる限り、被害を最小限に抑えるように努めることが大切です。

4.3 警備員が「逮捕」する場合のルール~あなたに「逮捕権」はある?~

刑事訴訟法という法律には、一般の人でも、ある条件を満たせば、犯人を「逮捕」できることが書かれています。 これを、「私人逮捕」と言います。 警備員の仕事をしていると、犯人を逮捕しなければならない場面に遭遇する可能性も、ゼロではありません。 でも、逮捕は、人の自由を奪う、とても重大な行為です。 逮捕する場合には、法律で定められたルールをしっかりと守らなければなりません。

私人逮捕ができるのは、「現行犯逮捕」と「準現行犯逮捕」の場合に限られます。

  • 現行犯逮捕: 犯罪が行われている最中、または、犯罪が終わった直後の犯人を逮捕することです。 例えば、あなたが交通誘導中に、目の前で、通行人が車を壊しているのを目撃した場合、その通行人を現行犯逮捕できます。
  • 準現行犯逮捕: 犯人として追われている人や、明らかに犯人と思われる物を持っている人などを、犯人とみなして逮捕することです。 例えば、あなたが交通誘導中に、血のついたナイフを持った人が、慌てて逃げていくのを目撃した場合、その人を準現行犯逮捕できる可能性があります。

ただし、私人逮捕をする場合には、以下の点に注意する必要があります。

  • 逮捕の理由と必要性を説明すること: 逮捕する相手に、なぜ逮捕するのか、理由を具体的に説明する必要があります。
  • 不当な有形力の行使は禁止: 逮捕する際に、必要以上に相手を傷つけたり、乱暴な行為をしてはいけません。 あくまで、逃げられないように確保する、必要最小限の力を使うようにしましょう。
  • 逮捕後は、速やかに警察に引き渡すこと: 逮捕した後は、できる限り早く、近くの警察署や警察官に引き渡す必要があります。 自分で勝手に取り調べたり、罰を与えたりしてはいけません

もし、あなたが誤って人を逮捕してしまった場合、あなた自身が罪に問われる可能性もあります。 逮捕する前には、本当に逮捕できる状況なのか、慎重に判断することがとても大切です。 少しでも不安がある場合は、無理に逮捕しようとせず、すぐに警察に通報しましょう。

今回のまとめ

  • 刑法は、犯罪の種類や罰則だけでなく、私たちを守るための「正当な行為」についても定めている。
  • 「正当防衛」は、自分や他の人が、不当な攻撃を受けそうになっているときに、自分や他の人を守るために、やむを得ずに行った行為。
  • 「緊急避難」は、あなたや他の人の生命などが、今まさに危険にさらされているときに、その危険を避けるために、やむを得ずに行った行為。
  • 警備員も、ある条件を満たせば、犯人を「逮捕」できるが、逮捕する場合には、法律で定められたルールをしっかりと守る必要がある。
  • 逮捕は、人の自由を奪う、とても重大な行為。逮捕する前には、本当に逮捕できる状況なのか、慎重に判断することがとても大切。

次回予告

法律を知っていると、いざという時、きっと役に立つ

今回は、刑法の基本的な考え方と、警備員の仕事中に起こりうる「もしもの時」に知っておきたい注意点について解説しました。 「正当防衛」「緊急避難」「私人逮捕」これらの言葉は、普段の生活ではあまり意識しないかもしれませんが、いざという時、あなた自身や周りの人を守るための、大切な知識となります。 次回は、これまでの内容を踏まえ、具体的な事例を通して、法律の知識が、警備員の仕事にどのように役立つのかを考えていきます。 お楽しみに!

#刑法 #正当防衛 #緊急避難 #私人逮捕 #警備員の心得 #もしもの時 #法律の知識 #自己防衛 #安全な社会 #勉強垢


----------------------------------------------------------------------

O.A.E. 株式会社

住所:愛知県津島市東柳原町3-17-2

電話番号:0567-69-5391

----------------------------------------------------------------------